もやもや病は内頚動脈が両側性・進行性に狭窄する疾患として特徴付けられ,神経心理学的機能の障害は前頭側頭葉領域の関与が大きいと言われています.今回は一過性脳虚血発作型のもやもや病と診断された子供の神経心理学的機能の障害パターンを調査した研究を紹介します.
論文タイトル「Selective neuropsychological impairments and related clinical factors in children with moyamoya disease of the transient ischemic attack type」
対象:一過性脳虚血発作型のもやもや病と診断された未手術の小児13例(平均年齢:13.9±6.3歳,発症年齢平均:10.2±3.6歳,発症後期間平均:17.0±15.9ヶ月)
方法:神経心理学的検査としてWISC-Ⅳ,WMS-Rの言語性対連合,カテゴリー流暢性検査(CFT),Judgment of line orientation(JOL)を施行し標準化サンプルと比較した.
結果:言語性対連合の即時再生と遅延再生,WISC-Ⅳの処理速度,CFTで有意な低下を認め,因子間の相関関係では症状持続期間と処理速度,発症年齢と言語性対連合の即時再生,年齢と言語性対連合の遅延再生,発症年齢と言語性対連合の遅延再生で強い相関を認めた.
考察:小児もやもや病患者の言語性記憶における想起のプロセスの問題と処理速度の低下,ワーキングメモリや知覚推論の機能が保たれる傾向,また小児もやもや病に対する早期発見と早期治療介入の重要性が示唆された.
Yen-Hsuan Hsu & Meng-Fai Kuo & Mau-Sun Hua & Chi-Cheng Yang Childs Nerv Syst .2014:30:441–447.
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00381-013-2271-9
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