御礼

7回作業療法神経科学学術集会を終えて-

 

202272()に北海道大学学術交流会館にて第7回作業療法神経科学研究会学術集会を損傷脳から探る作業療法の可能性をテーマにライブ配信とのハイブリットで開催いたしました.本学術集会にご参加いただきました皆様に謹んでお礼を申し上げます.

 

【特別講演】として東京都立大学の金子文成先生に“脳卒中後運動麻痺に対するニューロリハビリテーションー最近の動向と神経科学に基づくアプローチー”と題して講演いただきました.対象者の運動麻痺の重症度に応じた運動錯覚の提示方法の違いなど自研例をお示しいただきながら分かりやすくお示しいただきました.また,今後のニューロリハの向かうべき道をお話いただきました.ニューロリハを実践している臨床家もまたニューロリハと関連した研究家にも明日からの業務につながる内容をご講演いただきました.

 

【招待講演】は,” 脳損傷研究から解明される脳機能”をテーマに金沢大学中嶋理帆先生にご講演いただきました.脳腫瘍患者の覚醒下手術の術中,術前後評価と脳画像との関連を詳細に検証された内容をご講演いただきました.健常者を対象とした脳画像研究では得ることができない知見を出す意義も同時にお示しいただき,脳損傷者に対するリハビリテーションと直接関連した評価と脳機能の理解が深まる内容でした.また,脳機能のシフトに関しても分かりやすくご提示いただき脳の可塑性について改めて理解をすることができました.

 

【指定討論】は,“その人の脳を読み解く臨床症状の「鍵」ー作業療法臨床で見られる脳損傷症状と評価をつなげてー”をテーマとして本会理事の澤村大輔先生の話題提供から始まり,札樽病院の荒井英俊先生,時計大記念病院の斎藤弘匡先生に臨床での現状と問題提起をしていただきました.機能回復と能力回復に関する乖離やその対応方法について考えることができる場となりました.

 

【一般演題】は基礎研究部門2演題,臨床研究部門2演題発表いただきました.大学院生や臨床経験2年目の先生などの研究発表が主であり,どれも計画された研究デザインで興味深い内容でした.

 

最後に,改めて参加していただいた皆様,準備や運営を担っていただいたスタッフの皆様に感謝を申し上げるとともに,今後とも当研究会へのご協力を依頼をさせていただきましてお礼の言葉とさせていただきます.

 

202273

7回作業療法神経科学研究会学術集会

会長 石岡俊之